1980年(昭和55年)9月12日、学習院大学3年生の浩宮徳仁親王が、中世史の安田元久教授の引率で城願寺を見学された。この年は源頼朝・土肥実平らが平家追討の旗挙げ八百年目にあたり、旧暦の治承4年8月23日出陣とされるが、これを新暦に直すと9月14日にあたる。湯河原駅前にあったとされる「土肥館」での出陣準備の将兵の残暑を体感するために同じ日頃を選んで12日に見学された。ここ城願寺の巨木ビャクシン前で、先代山本光豊住職から出陣の説明を、わくわくする表情で聞く写真が本堂内に残り、翌日の『讀賣新聞』にも掲載された。その後も研鑽を積まれて中世史の専門家の新天皇として、2019年令和元年5月1日に即位された。
その当時、湯河原での頼朝・実平旗挙げ八百年記念で、駅前では「土肥実平公夫妻像」の建設が始まっており、境内にはすでに「源頼朝石橋山旗挙八百年 昭和55年8月23日」の石碑と、檀家の井上正三氏寄贈の原木より木取りしたビャクシン苗木が記念樹として植えられていた。
が、その3週間後に見学があり、急遽「見学記念碑」を彫り加え、表裏を改めたと云われる。