創建・宗旨

創 建

約八百数十年前、この地(相模土肥郷)の豪族土肥次郎實平が、萬年の世までも家運が栄えるように「萬年山」と号して持仏堂を整えたことから城願寺の歴史は始まる。鎌倉時代後期には五山十刹につぐ寺格である諸山に指定され、西相模地方では指折りの禅刹だったと伝えられる。その後衰退していたが、南北朝時代に土肥氏の末裔の土肥兵衛入道が、清拙正澄(大鑑禅師)の弟子の禅僧雲林清深を開山に招請して再興。もと密教寺院だったものを臨済宗に改め、清拙正澄を勧請開山(名目上の開山)とした。やがて土肥氏が失脚し、小田原大森氏の時代になると再び衰退するが、戦国時代に大州梵守-大永5年1525年卒-(早川村海蔵寺三世、肥田山保善院三世)が再興、曹洞宗に改宗し現在に至る。


宗 旨

曹洞宗は、お釈迦さまより歴代の祖師(そし)方によって相続されてきた「正伝(しょうでん)の仏法(ぶっぽう)」を依りどころとする宗派です。それは坐禅の教えを依りどころにしており、坐禅の実践によって得る身と心のやすらぎが、そのまま「仏の姿」であると自覚することにあります。

そして坐禅の精神による行住坐臥(ぎょうじゅうざが)(「行」とは歩くこと、「住」とはとどまること、「坐」とは坐ること、「臥」とは寝ることで、生活すべてを指します。)の生活に安住し、お互いに安らかでおだやかな日々を送ることに、人間として生まれてきたこの世に価値を見いだしていこうというのです。

 




曹洞宗とは今から八百年ほど前の鎌倉時代道元禅師が正伝の仏法を中国から日本に伝え、瑩山禅師が全国に広められ曹洞宗の礎を築かれました。このお二方を両祖と申し上げご本尊 お釈迦さま(釈迦牟尼仏)とともに一仏両祖(いちぶつりょうそ)として仰ぎます。
 

本 堂 写 真

明治三十年~大正三年頃の境内の様子
茅葺の本堂の屋根。木立に囲まれ、緑豊かな雰囲気が偲ばれます。



屋根を銅板に葺き替えました。
本堂向かって左に聳えるは、大正2年、両皇子殿下御臨幸記念の黒松の木です。